第二話 春一番

【あらすじ】

女学生の角膜移植手術を請け負ったBJ。術後の状態は良く、また、難易度の高くない手術だった。ところが手術後、女学生の視界に幾度となく現れる男性の姿が。現れては消える男性の姿に、いつしか女学生は恋心をいだくのだった。

 

【思ったこと】

読後、作品タイトルの春一番に思いを馳せます。恋に恋する女学生(死語ですね)の初恋が、ショッキングな形で失恋に導かれます。誰しもが経験し、そのほとんどは失恋に終わると思われる初恋を、春一番に例えた作品ですね。ロマンというか詩的なものを覚感じるし、この女学生はH2Oの「想い出がいっぱい」の歌詞でいうところの、大人の階段を登ったんだなーって思います。

角膜の提供元の女性が、殺される瞬間に見た光景が角膜に焼き付き、提供先の女学生にも見えてしまうというロジックなんですが、角膜に光景が焼き付くって発想が、自分には出てこないです。本当にあり得るのかどうかわかりませんが、いかにもありそうな感じがして(自分だけかもですが)、納得させられちゃいます。

 

せっかく「想い出がいっぱい」を思い出したので、ぐぐってみたところ、結構色んなアーチストにカバーされてるんですね。

「想い出がいっぱい」を聴きながらこの作品を読むと、さらに味わい深いかもしれません。